ホーム > 十五代 樂 直入 > トピックス

樂美術館

美術館「えき」KYOTO での展覧会のお知らせ <予告>

石をやく 土をやく
樂雅臣 樂直入

2024年1月2日(火)~1月29日(月)

「石が土となり、また土は石となる」のは地質学的時間、つまり循環する宇宙時間のなかで起きている。この石と土との間で、人類はやくという行為によって器を制作してきた。 京都の地において、初代長次郎(1589年没)を祖とする樂家に、茶碗という究極の造形の存在に対して、石から、土からそれぞれのアプローチを行っている2人の芸術家がいる。

樂直入(1949- )は石と土との関係性のなかで、様々な挑戦を行ってきている。2019年に15代樂吉左衞門から樂直入へと改名した後は、京都市の最北端、山間の小村に住まいし、制作に没頭している。2022年には「White rock」と仮称される茶碗の展覧会をロンドンとドーハで発表した。始め仮称であった「白い巌石みたいな茶碗」即ち「White rock」の名称は、今では海外でも広く認知されている。「White rock」があれば当然「Black rock」もある。本展ではその両方が出品される。

樂直入の次男である樂雅臣(1983- )は石の彫刻家として知られているが、2023年には長年構想してきた「石器」シリーズを発表した。溶結凝灰岩から造形を彫り、さらに焼成することにより、溶融と非溶融の状態となり、不動であるはずの存在が重力によってわずかに動き表情を変える。火にさらされた彫刻作品。そこには、石と土との関係性において、雅臣がかつて発表した「輪廻」、「Stone box」シリーズと同様に、輪廻というテーマがある。その作品を「まるで地底から湧き起こり、太古からそこに存在したかのような佇まい」と直入は評している。

本展では樂雅臣の新作「石器」シリーズの彫刻作品と樂直入の「Black rock」、「White rock」の茶碗、茶入「路傍の石」を展観する。

樂 雅臣 |
1983年、樂家15代直入の次男として生まれる。2008年東京造形大学院美術研究領域造形研究科修了。石を彫刻することで人工物として支配する事なく、自然をいかし、造形と共存した作品を表現する。これを「石の中に表現を、表現と共に自然を」という自身の言葉に込め制作する。
主な個展に美術館「えき」KYOTO、石川県立美術館での「彫刻家樂雅臣展」(2017)、京都の賀茂別雷神社「樂雅臣個展」(2015)・「石器石から器を」(2023)など。ヴェネチア・ビエンナーレにあわせ開催されるPalazzo Fortunyでの特別展「PROPORTIO」(2015)・「INTUITION」(2017)にノミネートされ出品。海外でも広く活躍する。2018年京都市芸術新人賞受賞。

▷会 場: 美術館「えき」KYOTO(京都駅ビル内ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
▷会 期: 2024年1月2日(火)〜1月29日(月) 会期中無休
▷開館時間: 10:00~19:30(入館は19:00まで)

■美術館「えき」KYOTO:
  公式HP:https://kyoto.wjr-isetan.co.jp/museum/
  公式Twitter:@ekimuseum
※最新情報は上記HPにてご確認ください

■お問合せ: ジェイアール京都伊勢丹 TEL:075-352-1111(大代表)


佐川美術館 樂吉左衞門館のご案内

吉左衞門X 浦上玉堂×樂直入
2023年09月30日(土)~2024年01月28日(日)

吉左衞門X展は、樂直入が深く影響を受けたもの・思惟を共有したもの・共感や感動したものを関数Xとしてコラボレーションする展覧会です。
第14回目となる吉左衞門Xは、江戸時代中後期の文人画家、琴士として知られる浦上玉堂とのコラボレーション展を開催いたします。
心をそのまま画布の上に描き出した玉堂が描いた心象風景の美しさに魅せられたという直入。形にとらわれることなく、作為を排して自由に表現した玉堂作品は、近年の直入の作行きに見られる造形や色彩といった表現の諸要素をそぎ落として、究極表現を超えようとしている樂茶碗に共通性を見いだせます。
本展は、直入が玉堂を見つめる中で、玉堂の世界に深く入り込んで制作した新作樂茶碗と玉堂の墨画を展観することにより、2者に通じる深い精神性に触れようとする試みです。

1期 2023年 9月30日(土)~10月29日(日)
2期 2023年10月31日(火)~12月 3日(日)
3期 2023年12月14日(木)~2024年1月28日(日)

入館にはWEBでのご予約が必要です。

ロンドンAnnely Juda Fine Artでの個展のお知らせ

焼貫白巌石茶碗 銘 暁 2022年制作

Kasimir Malevich | Raku Kichizaemon XV
2022年5月12日(木)〜7月9日(土) <終了しました>

英国・ロンドンAnnely Juda Fine Artにおきまして、この度カシミール・マレーヴィチ(1879-1935)のドローイング20点と十五代樂吉左衞門・直入(1949年生)の茶碗20点(近年の「ホワイトロック」シリーズより)の展覧会を開催いたします。また、本展では初代長次郎(1589年没)が1580年代初頭に制作した黒樂茶碗の名品も1点併せ展示いたします。

本展は、2021年9月から2022年1月まで佐川美術館・樂吉左衞門館にて開催された「十五代樂吉左衞門・直入×マレーヴィチ」展に続くもので、樂直入の作品は英国で初公開となります。


樂直入はマレーヴィチの作品からの影響について次のように書いています。

「***私とマレーヴィッチとの出会いは、2015年に行われた、ロシア、サンクトペテルブルク・エルミタージュ美術館、およびモスクワ・プーシキン美術館で行われたRaku: The Cosmos In a Tea Bowl展の時である。同展は初代長次郎から16代吉左衞門の樂家各歴代170点あまりを網羅する大規模な展覧会であった。その時、ロシアで私がどうしても見たいと欲するものはただ一つ、Kazimir Malevichの1913年制作「黒の正方形」(トレチャコフ美術館蔵)であった。この黒く一応に塗られた正方形は、思想として私自身の中に根を下ろしてきた***」

□展示風景(写真)
https://www.annelyjudafineart.co.uk/exhibitions/346-kasimir-malevich-raku-kichizaemon-xv-fourth-floor/installation_shots/

□展示風景(動画)
https://vimeo.com/709145593

□展覧会図録(PDF)
https://www.annelyjudafineart.co.uk/usr/library/documents/main/raku-cat.pdf

□ビクトリア&アルバート博物館・名誉研究フェロー、ルパート・フォークナー氏との対談(動画)
https://vimeo.com/714436624

ページトップへ